今年5月に新型コロナウイルス感染症が感染症法上第5類に定義されてから、私たちは以前の日常を取り戻してきました。保育施設や学校でも様々な活動が再開され、子どもたちの情緒を育むためには喜ばしいことだと思います。一方、様々な感染症が同時流行し、小児科医も今までに経験したことのない事態に驚いています。春からRSウイルスが大流行しましたが、基本的感染対策を徹底していた3年間はウイルスに暴露されることのなかった多くの乳幼児がR Sウイルスに初めて感染したため重症化しました。夏以降は新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時流行。その後もインフルエンザは流行を続け、同時に溶連菌感染症やアデノウイルス感染症、ノロウイルスなどの感染性胃腸炎が流行しています。特に溶連菌感染症は毒素を産生する菌株による劇症型溶連菌感染症や深頸部膿瘍といった重症例があるため注意が必要です。通常の風邪の経過と異なる場合は早めに受診するようにしましょう。
2023年12月の上尾小児科便り
2023.12.26
小児科(上尾小児科便り)