心臓は、心房と心室からなり、規則正しい電気信号によって拍動します。心房細動は、この心房が不規則に痙攣し、心臓の正常な機能が損なわれる病気で、不整脈のひとつです。
動悸や息切れなどの自覚症状が現れることもあれば、無症状で発見されることもあります。心房細動の原因は多岐にわたりますが、高血圧や糖尿病、慢性腎臓病、心筋梗塞、心臓弁膜症などの様々な疾患が関与することが知られています。
また、心房細動は年齢とともに発症リスクが高まり、特に高齢者や男性に多く見られます。
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心房細動のリスク
心房細動が心配されるのは、脳梗塞や心不全など、重大な合併症を引き起こす可能性があるからです。
心房の不規則な動きにより血液の流れが滞り、血栓が形成されることがあります。この血栓が脳に運ばれると、心原性脳梗塞を引き起こすリスクが高まります。
心原性脳梗塞は、脳の広い範囲に影響が出やすいため、寝たきりや歩くのに介助が必要な状態になる方が半数近くになるというデータもあります。心房細動の患者さんは、そうでない患者さんに比べて脳梗塞の発症リスクが約5倍にもなると言われています。また、心房細動は心不全のリスクも高め、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。
健康寿命を延ばすためにも、早期発見・早期治療が大切です。
3月9日は「脈の日」です
公益社団法人日本脳卒中協会と一般社団法人日本不整脈心電学会は、脈をチェックすることの重要性を皆さまに呼びかけるため、3月9日を語呂合わせ「3(みゃ)9(く)」から「脈の日」と定め、日本記念日協会に登録しています。あわせて、この日から1週間(3月9日~15日)を心房細動週間として提唱しています。
皆さまも日頃から脈のチェックを習慣化し、自身や家族の健康についてあらためて気にかけてみませんか?
あなたの脈をはかってみましょう!
手首で脈に触れる方法
- ひとさし指、中指、薬指の3本で、手首の親指側を触ります。
(この時、指の腹の部分で触ると脈を感じやすくなります) - 脈拍数やリズムを15秒間はかりましょう。
- 脈拍数を4倍してください。
脈拍はどうでしたか?
脈拍は、規則正しいリズムです。また、1分間に50~100回が正常値です。
一定のリズム、同じ強さ
脈拍数が50~100回/分であれば、おそらく正常です。
検脈*を習慣にしましょう。
慣れたら、ご家族の脈も測って差し上げましょう!
*検脈:手首に指をあて脈を測ること
時々途切れる、弱くなる
期外収縮の可能性が高いです。
頻繁に起こる場合には、かかりつけの病院・医院への受診をご検討ください。
リズムも強さもばらつく
心房細動かもしれません。早めにかかりつけの病院・医院を受診してください