今年も残すところあと1ヶ月となり、いよいよ冬も本番です。クリスマス、年末年始の準備と慌ただしい毎日をお過ごしでしょうか。
さて今回は、近年増えている卵黄に対するアレルギーについてお話したいと思います。今まで卵アレルギーといえば、食後急激に進行する卵白に対するアレルギー反応という認識が一般的でしたが、2000年を過ぎる頃から増えてきているのが、嘔吐下痢などの消化器症状が主となる食物蛋白誘発胃腸炎という病気です。過去に消化管アレルギーと呼ばれていたため、耳にしたことがあるかもしれませんが、少しずつ特徴がわかってきました。
この病気は日本だけでなく海外でも増えていますが、日本では卵黄が原因となることが圧倒的に多いです。過去に数回摂取できた乳児でも、日をおいて再度口にすると1-4時間後に何度も嘔吐し、ぐったりするような病気です。通常の食物アレルギーと異なり、血液検査で証明することができず、何度も同じエピソードを繰り返すことで診断が確定します。最近は食べて治すという概念が定着してきた食物アレルギーですが、この病気に関してはまだ病態がはっきりしないため、一定期間除去をしてから食物経口負荷試験で治っているか確認していく必要があります。また卵黄に限らず乳、大豆、魚、小麦、米などほかの食材でも、同じ症状が起こることがありますが多くは幼児期に治ると報告されています。
もし離乳食後に嘔吐を繰り返して、顔色が悪く、ぐったりする様子があればすぐに医療機関を受診してください。
お子さんのアレルギーについて不安なことがありましたら、いつでもご相談ください。