外反母趾(がいはんぼし)は、足の母趾(親指)が第2趾(人差し指)の方に「くの字」に曲がり、付け根の関節が内側に突出する状態で、つま先が細くなった幅の狭い靴を履くことで母趾が圧迫され変形をきたします。靴の歴史の長い欧米人に多い病気でしたが、近年日本でも急速に増えています。
突き出した親指の関節が靴などにあたって炎症を起こすと、靴が履けないほど痛むようになります。
治療法
保存的治療と手術があります。
保存的治療および予防法
- 母趾のつけ根にフィットして先はゆったりとした履物を選ぶ
- 足の指を開く運動をする(グーチョキパー体操)
- 両側の母趾にゴムをかけて足先を開く運動をする
- 母趾と第2趾の間に装具をはめる
手術
足の変形で痛みが強い時、保存的加療では良くならない場合には、手術を検討します。手術では第1中足骨*を切って変形を矯正しますが、変形の程度によって手術方法が変わります。(DLMO法もしくはLapidus法)
関節リウマチなどによる関節の破壊や変形が強い場合にはほかの手術方法を用いることがあります。(クレイトン法)
手術方法によって前後しますが、基本的に、手術後はギプス固定はおこなわず、早い時期からかかとに体重をかけて歩いていただきます。靴を履いて歩けるようになるのは、手術から2か月後をめやすにしています。
* 第1中足骨:母趾の根元から足首にむけて伸びている細長い骨
当院の強み
外来でのリハビリテーションで歩行訓練や足裏の病変に対する評価、理学療法士が作る靴の中敷きによって、手術をしなくてもすむ患者さんが多いことが特徴です。