対象となる疾患
- 心臓弁膜症
- 心房中隔欠損症
- 心臓腫瘍など
どのような手術方法か
一般的な心臓手術は、胸の真ん中に縦に大きな創(手術のきず)をおき「胸骨正中切開」という開胸法で行うのが標準です。これはあらゆる心臓手術に対応しやすい優れた方法ではありますが、創が大きく胸骨という骨を切りますので、通常は術後2、3か月の安静を必要とします。
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「低侵襲心臓手術(Minimally Invasive Cardiac Surgery : MICS)」は骨を切ることなく、右胸の肋骨と肋骨の間(肋間)を小切開して行う小さいきずの手術です。創が小さいので美容的な利点はもちろんですが、骨を切らないので出血が少なく、きずの感染も少ない、術後の回復や社会復帰が早いとされています。
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からだにやさしい心臓手術:低侵襲心臓手術(MICS)
技術的に難しい面がある術式ではありますが、当院の心臓血管外科チームではこのMICSを2006 年から行っており、十分な習熟を積んでいます。また肋間小開胸でのMICS だけでなく、胸骨の一部だけを切る「胸骨部分切開」も取り入れ、特に大動脈弁の手術で良好な成績を収めています。
当院では心臓手術を受けられる患者さんの不利益を減らす手段のひとつとして低侵襲手術を提案しています。高齢者や持病がある方、手術が初めての方などそれぞれの患者さんにとって最適な治療を提案させていただきます。ぜひ外来にお越しいただき直接診察を受けていただければと思います。
この記事を書いたのは
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