ロボット支援下膵頭十二指腸切除術(da Vinci PD※)
膵頭部領域腫瘍(膵がん、胆管癌、十二指腸がんなど)に対するロボット支援下膵頭[すいとう]十二指腸切除術は2020年4月に保険適用されました。
膵頭十二指腸切除術は、病変(≒がん)の切除に加えて、食べ物と消化液(膵液、胆汁)の流れ道を新たに作り直す作業(=再建)が必要となる高難度肝胆膵(かんたんすい)手術の1つとされています。
ロボット支援下膵頭十二指腸切除術(da Vinci PD※)の実施にあたっては厳しい施設基準が設けられていますが、当院はこれまでの診療実績が認められ、独立したチームとして本手術が実施可能な全国でも数少ない施設の1つに認定されています。
手術のきずが小さい、出血が少ないといった体への負担が少なく(低侵襲性)、自由度の高いロボット鉗子による精密な操作が可能となるため、ミリ単位での操作を要する膵ぞうと腸、胆管と腸をつなぐ(=吻合・ふんごう)操作においてロボット支援下手術は非常に有用です。
2023年7月に当院で施行したロボット支援下膵切除術(膵体尾部切除を含む)が100例に到達し、2024年末には本術式(da Vinci PD)だけで100例目を迎える見込みです。
なお、当院には本手術のロボット支援手術プロクター認定医(手術指導医)も在籍しており、安全で確実な手術を提供できる環境を整えています。
※ PD=pancreatoduodenectomy