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病気ガイド

腹圧性尿失禁:尿道スリング手術:泌尿器科

腹圧性尿失禁とは、尿失禁(尿漏れ)のうち、咳、くしゃみ、走る、ジャンプするなど、お腹に力を入れたときに尿が漏れてしまうもので、特に女性に多くみられます。また、男性でも前立腺の手術後に一時的にみられることがあります。尿道を閉める機能が低下する、あるいは尿道そのものの支持組織が弱くなった場合に起こります。

尿道スリング手術とは?

尿道スリング手術(TVT手術、TOT手術)は、女性の腹圧性尿失禁に対する手術です。それぞれ、TVT(Tension-free Vaginal Tape)手術、TOT(Trans-Obturator Tape)手術の略になります。1cm程のテープ型の医療用人工繊維を尿道の裏を支えるように体内に留置することで、腹圧時におこる尿道のぐらつきにあらがい、尿失禁を低減します。短期成績、長期成績ともに良好であることが示されており、本手術は女性の腹圧性尿失禁に対する世界的標準治療とされています。

特徴

TVT手術とTOT手術の違いは、体内でテープがどこを通るかの違いです。どちらも尿道の裏にテープが通りますが、TVT手術は下腹部に向けて、TOT手術は大腿に向けてテープが置かれます。それぞれにキット化された専用の医療器具があり、その器具を用いて手術を行います。どちらの手術が適しているかは、患者さんごとに異なります。

専用の器具を使いますので、手術内容はどの施設でもほとんど変わりありません。手術方法が確立しているというのは一つの特徴といえます。ただし、テープをどれほどの張り具合で留置してくるかで、術後の成績が大きく変わります。排尿機能や腟・尿道の形態は人それぞれ異なりますので、患者さんごとに適切な張り具合を見極める必要があり、術者の経験値を必要とする非常に繊細な手術であるといえます。

TVT手術とTOT手術において、骨盤内におけるTVTテープとTOTテープの位置関係を示すイラストです。正面と左正面からの二つの視点で描かれています。TVTテープは膀胱の下方から尿道を支え、上方へ伸びています。TOTテープは骨盤の左右から横方向に尿道を支えています。

具体的な治療経過

TVT手術では腟および下腹部、TOT手術では腟および大腿付け根に、それぞれ1cm前後の創が計3ヵ所おかれます。手術時間は30分程度で、手術翌日には食事も歩行も可能です。尿道カテーテル(おしっこの管)は手術翌日に抜き、排尿状態に問題がなければ、手術翌々日に退院となります。当院では4日前後の入院期間になります。

術後の生活で気を付けること

退院直後から日常生活に制限はありませんが、性交渉や重いものを持つような仕事は1ヵ月程度控えることを勧めています。また、溶ける糸あるいは医療用接着剤で創を閉じますので抜糸は必要ありません。

この記事を書いたのは

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森山 真吾(もりやま しんご)副科長
泌尿器科・女性泌尿器
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