尿路結石とは?
腎臓から尿管・膀胱・尿道に至る尿の通り道に結石(石のようなかたまり)ができる病気で、食生活の欧米化にともない増加しています。
尿路結石は男性に多く、特に30~60歳代の男性と50~60歳代の女性に見られることが多いです。また、肥満やメタボリックシンドロームのある方にも発生しやすい傾向があります。これらの尿路結石の大部分は腎臓で作られます。
多くは小さいうちに尿と共に自然に排出されますが、一部の石は腎臓などに留まったまま大きくなり、自然排石が困難となります。
放っておくと腎臓の機能が低下することもあります。
尿路結石の症状
尿路結石の主な症状には、強い腰痛や腹痛、吐き気、血尿などがあります。結石が尿路を塞ぐことにより、尿の流れが妨げられ、痛みが発生します。
尿路結石の治療法
治療には、経尿道的砕石術(TUL)や体外衝撃波砕石術(ESWL)、経皮的腎砕石術(PNL)などがあります。これらの方法は、結石の大きさや位置によって選択され、最適な治療法を決定します。
体外衝撃波結石破砕治療 (ESWL:Extracorporeal Shock Wave Lithotripsy)
電磁誘導方式で衝撃波を発生させ、特殊なレンズを用いてそのパワーを一点に収束させ、結石を破砕します。
外科手術をせずに体外から衝撃波をあて、他の臓器を傷つけることなく、結石のみを細かく破砕する治療方法です。
砂状に破砕された結石の殆どは尿と共に自然に体外に排出されます。
衝撃波の焦点を合わせるために、放射線または超音波を用います。
ESWLの特長
- 体が傷つきません。
- 治療時間は短く1時間程度で終わります。
- 痛みが少なく、多くの場合、麻酔が不要です。(鎮痛剤は使用します。)
- 副作用・後遺症がほとんどありません。
- 治療後、すぐに日常生活・職場への復帰が可能です。
- 再発の場合の治療法としても最適です。
1回の治療で破砕される場合もあれば、数回治療が必要となることがあります。
また砕石された結石が排出されるのに、破砕後数日から1~2週間程度かかります。
経尿道的腎尿管砕石術(TUL:Transurethral Ureterolithotripsy)
尿の出口の穴(外尿道口)から細い内視鏡を結石まで挿入し、専用のレーザーで結石を破砕して除去します。
内視鏡で結石を確認しながら結石が破砕でき、また破砕片を回収できることが特長ですが、入院が必要です。
経皮的腎砕石術(PNL: Percutaneous Nephrolithotripsy)
ESWLやTULで砕くのが難しい大きな結石や硬い結石などに適した治療法です。
腎臓に大きな結石があるときに、背部に針を刺して腎盂鏡という特殊な内視鏡を挿入し、専用のレーザーなどで結石を破砕する手術です。