内容
血管エコーとは全身の動静脈を検査対象とし、血管を形態と機能の両面でとらえ、疾患を評価するものです。目的部位は患者さんの病態により多様の為、以下には主な検査部位と目的を記しました。
- 動脈:動脈の狭窄や閉塞などの有無を調べ、閉塞性動脈硬化症の診断に有効です。壁の厚さにより動脈硬化の進行度なども評価します。
また形態により動脈瘤や動脈解離などの有無を調べることができます。
目的部位:上肢(上腕動脈、橈骨動脈、尺骨動脈)、下肢(総腸骨動脈、大腿動脈、膝窩動脈、前脛骨動脈、足背動脈)腹部大動脈、頚部動脈 - 静脈:血栓(血の固まり)の有無や拡張、血液の流れ、逆流を調べます。
静脈血栓症、下肢静脈瘤の診断に有用な検査です。
目的部位:上肢(上腕静脈、橈骨静脈、尺骨静脈)、下肢(総腸骨静脈、大腿浅・深静脈、大伏在静脈、膝窩静脈、小伏在静脈、前・後脛骨静脈、腓骨静脈、ひらめ静脈、腓腹静脈) - シャント静脈:透析患者さんのシャント血管の内部を観察し、狭窄・閉塞部位の有無を評価します。
目的部位:(吻合部、シャント静脈)
検査方法
検査部位に応じて着衣を脱いでいただきます。ゼリーを塗りプローベという機械を滑らせて検査していきます。検査時間は目的部位で異なりますが、約30~60分となっております。検査後はタオルでゼリーをふき取り、仕度していただき検査終了です。
※検査時の注意事項としては、以下の通りです。
- 検査目的部位が出しやすい服装でお越しください。
- 下肢血管エコー検査では下着にゼリーが付く場合がありますので、着替えをご用意ください。
血管エコーはなぜ必要か
近年の生活様式の変化に伴い、高血圧、高脂血症、糖尿病などをはじめとする、生活習慣病が増加してきています。これらの生活習慣病には動脈硬化症が深く関係しており、動脈硬化症の早期発見に頚動脈エコーが有用とされています。またエコノミークラス症候群や手術時の下肢血栓の発見、静脈瘤の診断においても超音波検査が有用であり、近年社会的関心が高まっています。