- ● GE社製 Senographe Pristina 1台
- ● 読影ビューワー・システム
- ● Senographe Essential 2台
マンモグラフィ検査とは
マンモグラフィは乳房専用のX線撮影のことです。
手で触れることのできない小さなしこりや、早期がんのサインである石灰化の描出に優れており、早期の乳がんの発見に対する有用性が認められています。
この検査では圧迫板で乳房を薄く伸ばして撮影するため、痛みを伴うことがあります。
「マンモグラフィは痛いから……」と検査を避けている人、いませんか?
痛みをなるべく減らすためには…
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生理前はさける
生理前はホルモンの関係で乳房が張るので、圧迫すると痛むことがあります。乳房の張りが少ない生理開始2・3日後~受診するとよいでしょう。 -
体の力を抜く
緊張して体に力が入っていると、圧迫する際の痛みが増してしまいます。 肩の力を抜いてなるべくリラックスした状態で検査を受けしましょう。 -
違和感があれば伝える
痛みの感じ方は人それぞれです。
我慢できないほど痛い場合は、遠慮せずに伝えましょう。
マンモグラフィはX線検査なので放射線被ばくがありますが、乳房だけの部分的なもので、肺や脊髄などへの影響はほとんどなく、白血病などの発生の危険もありません。
1回の撮影で乳房が受ける放射線の量(0.05mSv)は一般の人が1年間に受ける自然放射線量(2.4mSv)の50分の1程度。マンモグラフィ撮影による危険性はほとんどありません。
しかし妊娠中の方、妊娠の可能性のある方は胎児への被ばくを考えて撮影の前には申し出るようにして下さい。
検査時の注意事項
次の方は検査を受けられない可能性がありますのでご相談ください。
- 妊娠の可能性のある方
- 豊胸手術を受けられた方(脂肪注入以外)
- 植込み型心臓ペースメーカを装着している方
- 植込み型心電図(ループレコーダー)を装着している方
- 植込み型除細動器(ICD)を装着している方
- 脳室―腹腔シャント術(VPシャント手術)を行っている方
- ポート埋込のある方
- 持続血糖計測器(リブレ)インスリンポンプを装着している方
当院でのマンモグラフィ検査の特徴
当院は、日本乳がん検診精度管理中央機構のマンモグラフィ検診施設・画像認定を取得しています。
放射線技術科には女性の診療放射線科技師が19人在籍しており、全てのマンモグラフィ検査を女性の診療放射線技師のみで対応しています。
新しく導入された装置の特徴
2020年9月より新しく、Senographe Pristinaが導入されました。
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3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)の撮影が可能
3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)は、1回の圧迫で複数の角度から撮影して乳房の断面画像を作ることで観察時に乳腺の重なりを無くし、より詳細で精度の高い情報を得ることができます。
従来の2D画像のみでは見づらかった病変も3Dマンモグラフィ(トモシンセシス)を追加することで発見できる可能性が高くなります。
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体が触れる部分の形状は痛みを軽減できるようなデザイン
体が触れる部分の形状は痛みの感じ方を軽減できるよう可能な限り薄く丸みを持たせたデザインで乳房を圧迫する際の痛みや検査時に機器に押し付けられることになる腋下や腹部に感じる痛みや不快感を少しでも軽減できるように工夫されています。
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従来の装置に比べて、少量のX線量で質の高い画像を撮影することが可能
少量のX線量で質の高い画像を撮影することができるため、被ばく線量が低減されます。 -
デジタル画像から乳腺濃度を客観的に数値化して判定するボルパラ解析が可能
撮影した画像データを解析することで、乳房の体積測定を行い、再現性・客観性を保った数値を得ることが可能です。
乳腺は、年齢とともに変化しますが、高濃度乳房の方は、乳がんの発症率がやや高くなる可能性があると指摘されています。
ご自身の乳房タイプが高濃度乳腺かどうかを知ることで、その後の検診や乳がんの早期発見につながります。
所要時間
撮影の時は、上半身の服をすべて脱いで検査着になり、撮影装置の前に立って、左右の乳房を片方ずつ台の上にのせて、乳房を樹脂製の圧迫板ではさんで撮影します。
1方向・2方向(2D・3D):10分程度
精査(追加撮影がある場合):15分程度
女性の部位別がん罹患率において、1999年以来、常に第1位となっている乳がん。
2012年全国推計値での新たな罹患数は7万例を超えており、現在では10人に1人が乳がんに罹患するといわれています。しかし日本における乳がん検診の受診率は36.4%と欧米諸国に比べても低い現状にあります。
乳がんは早期発見・治療を行えば、ほとんどが治るがんです。
自己検診や定期検診を行いましょう。