上尾中央総合病院(所在地:埼玉県上尾市、院長 徳永英吉)耳鼻いんこう科・頭頸部外科では、埼玉県内初となる、頭頸部がんに対する光免疫療法を実施しました。
光免疫療法とは?
光免疫療法(アルミノックス治療)は、がん細胞に結合する薬剤とレーザー光の照射によってがんを破壊する治療法です。
手術や化学療法、放射線療法、免疫療法に続く「第5のがん治療法」と言われており、2025年1月現在、対象となっているがんは、手術によって切除ができない局所進行または局所再発の頭頸部がん(口腔がん、舌がん、咽頭がん、喉頭がんなど)です。
所定の講習を修了した頭頸部がん専門医または口腔がん専門医のみが行える治療で、がん化学療法の実績と緊急時対応が可能な体制、適切な医療安全管理体制を有し、頭頸部がん専門医または口腔がん専門医の指定研修施設でもある医療機関でのみ受けることができます。
光免疫療法の仕組み
- 1. がん細胞に特異的に結合する抗体と光に反応する物質が結合した抗体-光感受性物質複合体(アキャルックスⓇ)を点滴で投与します。
- 2. 1日ほどで、がん細胞に薬剤が付着します。腫瘍に特定の波長のレーザー光を照射し、がん細胞を破壊します。
上尾中央総合病院の頭頸部がん治療
当院では、「がんの制御」「機能温存」に重点を置いて診療にあたっています。
治療法は、標準治療に基づいて、がんの進行の程度や体の状態、年齢、患者さんの希望なども含めて検討します。多くの診療科を有する総合病院の強みを生かして、心臓や腎臓の機能が低下している患者さんの手術も行っています。
治療後も、患者さんの生活は続きます。医師・看護師だけでなく、リハビリテーション技師や管理栄養士、薬剤師など、複数職種が多角的に関わることで、話す、食べる、飲むという日常生活を、これまでに近い状態で送っていただけるように努めています。
頭頸部アルミノックス治療の導入により、今まで治療選択肢が限られていた切除ができない頭頸部がんの患者さんに新たな選択肢が増えることを、私たちも期待しています。