モービルCCU

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心臓病専用救急車「モービルCCU」

循環器的な緊急症例を疑ったときは、循環器ホットラインまたは地域連携課へご連絡ください。

    • 急性冠症候群の可能性がある
    • 心不全かもしれない
    • 徐脈である

    …など

循環器専門医や看護師などが同乗した救急車(モービルCCU)で、貴院の患者さまの救急搬送を行います。

モービルCCUとは

モービルCCU(Mobile Coronary Care Unit:移動式心臓集中治療施設)とは、高規格救急車をベースとし、医療機器を搭載した特殊車両です。通常の高規格救急車よりも大幅に強化した1000Wのインバーターを搭載しているため、複数のME機器を同時に駆動できます。より重症度の高い患者の搬送にも対応できる仕様になっています。
連携医療機関の要請を受け、当院から、医師・看護師・臨床工学技士・事務職員(運転手)がチームとして出動します。要請先の医療機関に到着後は、迅速にモービルCCUへ患者を収容して診察を引き継ぎます。搬送中も、患者さんやご家族に病状説明を行いながら、車内から院内のスタッフとも患者情報を共有することで、病院到着の処置までの時間を短縮し、シームレスな医療を行うことができます。
なお、当院では、医師が出動の判断をしてから10分以内にモービルCCUが出動できる体制を整えています。

地域医療連携におけるモービルCCUのメリット

2019年第一四半期(4~6月)に当院に来院したST上昇型心筋梗塞の患者の場合、DTBT(door to balloon time:来院からバルーンカテーテルによる責任病変の再開通までの時間)は

  • 全症例             :平均70分
  • うち、モービルCCU出動時 :平均52分
です。
急性心疾患の場合、一刻も早く適切な治療を受けることが、患者の生命予後を左右します。
急性冠症候群診療に関する日本循環器学会のガイドライン(JCS 2018)では、「DTBT 90分以内」「ST上昇型心筋梗塞と診断してからガイドワイヤー通過まで60分以内」という基準が求められています。
さらに、この早期治療介入の恩恵を受けるためには、発症から120分以内に病院を受診する必要があるとされています。
そのため、地域の皆さまの救命に寄与したいという思いから、当院ではモービルCCUや循環器ホットラインを運用しています。

モービルCCU出動件数600件到達

2018年8月13日に運用を開始したモービルCCUは、2023年1月までに600回以上出動いたしました。

436件の出動のうち(2021年9月28日時点)、後方搬送は約5%(23件)と、急性冠症候群(疑い例含む)の早期治療介入だけではなく、個々の循環器病患者の背景に応じた転院搬送を安全に行うことにも力を注いでいます。

なお、前方搬送の413件中、入院加療が必要な症例は約93%(383件)でした。
上尾市および近隣の皆さまの救命に多少なりとも寄与できたこと、また大過なく運用できたことは、ひとえに連携医療機関の先生方ならびに地域住民の皆様のご協力のおかげです。
深く感謝を申し上げます。

今後とも緊急性の高い循環器症例を疑った時は、どうぞ当院へご相談ください。